IH技術(Induction Heating:誘導加熱)は、 電磁誘導の原理を利用して加熱する技術ですが、 その仕組みについて、現在広く普及している IHクッキングヒーター(調理器)を例に説明します。
IHクッキングヒーターの構造は、図に示すように
②トッププレートの鍋を載せる位置の直下に、
③IHコイル※1が配置されております。
このIHコイルに高周波電流(※2)が流れると、
IHコイルを取り巻くように④磁力線が発生します。
IHコイルから発生する磁力線により、鉄の材料である鍋底(磁性体)には、①うず電流と呼ばれる電流が流れます。
(この現象を【電磁誘導】といいます。)
この鍋底にうず電流が流れると鉄などの金属には電気抵抗があるため、ジュール熱が発生して、金属である鍋底(磁性体)が加熱されます。
(この現象を【誘導加熱】といいます。)
IH(誘導加熱)は、IHコイル自体が加熱するのではなく、誘導加熱で鍋(磁性体)だけを加熱することが出来るのが、最大の特徴です。また磁性体ではないトッププレートなどは加熱されません。
※1 IHコイルは、高周波領域の表皮効果の影響を小さくするさせるため、細い銅線を数十本と集合撚りしたリッツ銅線を使用し、※1それを平面状に巻いたコイルです。
※2 高周波電流は、⑤インバータ回路と⑥制御回路により、商用電源を一旦整流化し、直流パルス電力にし、
それを20k~30kHzの高周波電流に変換しています。